「荒天」 91×61p 2008年 〈美瑛町〉
最近、インタビューなどを受ける度に、自分の事を「百年遅れの印象派」ということが多い。ちょっと意外に思う方もあるかもしれないが、私の仕事の進め方は、彼らのそれに近いものだと思う。カンバスを戸外に持ち出し、外光の中で自然に向って仕事を進める。
また、モネやゴッホなどは当時、日本の浮世絵等に興味を持ち、作品に影響を受けた事も広く知られているところだ。
そう考えてみると、印象派の画家達の仕事を通じて、日本人が、かつての日本人の自然の見方を、間接的に再発見している様なところもある。日本人が印象派贔屓な理由の一つも、この辺りにあるのかもしれない。ただ一つ書き加えるのならば、私のもとめている創作の方向性は、日本人の血の中に流れ続けて来た、自然への祈りの様なものを、絵画にしたいと思うのである。