「残照の十勝岳連峰」  73×53p 2008年  〈美瑛町〉

 小石を川原から拾って来て、アトリエにいくつか置いてながめている。これは静かなおだやかな石、これには気品がある、などと思いながら見飽きない。石それ自体に性格はないのだから、こちら側が一方的にそういう見方をしているにすぎない。風景もまったく同じで、なんと気高い山、心洗われる空の青、やさしい夕暮れの海の色などと感じるのは、人間に捜しているものを風景を借りて感じているにすぎない。